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ここでは、自然災害時における火災保険の補償範囲や補償対象、免責金額といった基礎知識と、
火災保険で補償されるケースと補償されないケースを事例を用いて解説します。

目次
  1. 1.火災保険の契約内容で重要な3つのポイント
  2. 2.【自然災害時】火災保険で、補償されるケース
  3. 3.【自然災害時】火災保険で、補償されないケース
  4. 4.火災保険でよくある質問
火災保険の申請方法・流れは
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1.火災保険の契約内容で
重要な3つのポイント

損害保険の一種である火災保険は、火災による被害・損害のみならず、風災・水災・落雷などの自然災害によって生じた場合や、落下・飛来・衝突物など第三者の過失や故意による住宅被害を補償する保険です。

ここでは、火災保険の申請にあたり、契約内容で重要な3つのポイントについて解説します。

ポイント1
火災保険の「補償範囲」

火災保険は主に、加入時に「補償範囲」をどのように設定するかによって、補償の内容が異なります。

火災保険の「補償範囲」は大きく下記の3つに分類されます。

  1. 火災
  2. 自然災害(地震・津波・噴火を除いた、風災・水災・落雷など)
  3. その他(落下・衝突物や、第三者の過失・故意)

自然災害は、さらに風災・水災・落雷・雪災・雹災の5つに分類されます。

上記5つの分類に該当する自然災害が原因で被害を受けた場合、火災保険を申請することができます。

<表>自然災害の分類と該当する主な被害内容
自然災害の
分類
該当する主な被害内容
風災 台風・暴風・突風・竜巻などによる被害
水害・水災 台風・暴風雨・豪雨による洪水・融雪洪水・土砂崩れ・落石・高潮などによる被害
落雷 (台風・大雨問わず)落雷による被害
雪災・雹災 大雪・雹による被害
※ 一般的に水害・水災においては、床上浸水または地盤面から45cmを超えた浸水の場合、もしくは被害額が再調達価格(破損したものを再度購入する価格)の30%以上の場合に水災補償が受けられます。

ポイント2
火災保険の「補償対象」

火災保険は主に、加入時に「補償対象」をどのように設定するかによって、補償の内容が異なります。
「補償の対象」は、保険加入時に「建物」のみ、「家財」のみ、「建物と家財」の3つから選択することができます。

「建物」建物本体と、門やカーポート、車庫、フェンス等、建物に付帯していて動かせないもの(外構部分)を指します。

「家財」は家具や、テレビ・冷蔵庫などの家電製品、衣類等、建物の中にあり、動かせるものを指します。

火災保険の補償範囲(建物と家財に含まれる具体的な例)/建物:屋根、TVアンテナ、ほか/家財:家具、衣服、電化製品、ほか ※ 保険会社によっては、カーポートなど付属建物の延床面積が「66平方メートル未満」など、一定の条件が設定されている場合があります

例えば加入者の契約内容が「家財」のみになっている場合、台風の強風で瓦が飛んでしまった被害は補償の対象外となるため、補償は受けられません。

ポイント3
火災保険の「免責金額」の考え方

火災保険の「免責金額」とは、自然災害などの被害にあった際、契約者が自己負担で払わなければならない金額のことをさします。自己負担額の計算には2種類の方法があります。

  1. 免責方式(エクセス方式)
    一定の免責金額を定め、被害額から免責金額を引いた保険金が支払われる
  2. フランチャイズ方式
    一定の免責金額を超えた場合にのみ、保険金が支払われる
<表>免責方式とフランチャイズ方式の受け取り保険金の違い
被害額 免責方式
(エクセス方式)
免責5万円の場合
フランチャイズ
方式
免責20万円の場合
1万円の被害 0円(補償なし) 0円(補償なし)
15万円の被害 5万円
(15万円-免責5万円)
0円(補償なし)
50万円の被害 45万円
(50万円-免責5万円)
50万円

免責方式(エクセス方式)の受け取り保険金

免責方式(エクセス方式)では、免責金額よりも実際に被害を受けた被害額(修理費用)が少ない場合、保険金が下りず自己負担で工事を行うことになります。
免責金額よりも被害額が多い場合、被害額から免責金額を引いた金額が保険金として受け取ることが出来ます。

フランチャイズ方式の受け取り保険金

フランチャイズ方式では、被害額(修理費用)が免責金額を超えた場合にのみ、保険料を上限額まで受け取ることが出来ます。
免責金額を20万円に設定していた場合、被害額が20万円未満だと保険料を受け取れず、自己負担で工事を行うことになります。

2.【自然災害時】火災保険で、補償されるケース

火災保険で補償されるには、先ほど説明した通り、被害箇所が加入している火災保険の補償対象に入っていることが最低条件ですが、更に細かい状況の違いに応じて「補償されるケース」と「補償されないケース」があります。

ここでは「補償されるケース」について、「建物」「家財」に分けて例示します。
※同じようなケースでも、被害状況やご加入の火災保険会社の契約内容によっては補償されない場合もございます。

「台風・大雨」被害の場合

基本的に下記のケースは「風災・水災・落雷」の補償範囲に入るため、補償されます。

<表>被害箇所が「建物」で、補償されるケース

被害箇所 被害状況 補償された理由
ケース1
屋根
・台風時の強風で、屋根下地ごと飛ばされてしまい、雨漏りしてしまった 屋根下地は「建物」に含まれるため、これらが台風による原因で破損した場合は、「風災補償」の対象になるから
ケース2
屋根
・台風の暴風により、棟板金(屋根のてっぺん部分の金属)が飛んでしまった 屋根のてっぺん部分の金属部品である棟板金は「建物」に含まれるため、これらが台風による原因で破損した場合は、「風災補償」の対象になるから
ケース3
屋根
・屋根に雷が落ち、瓦が吹き飛んで穴が開いてしまった 屋瓦は「建物」に含まれるので、落雷が原因により発生した被害は、「落雷補償」の対象になるから
ケース4
アンテナ
・雷がアンテナに直接落ち、壊れてしまった アンテナは「建物」に含まれるため、雷が原因による被害は、「落雷補償」の対象になるから
ケース5
外壁
・台風時の飛来物の衝突により外壁にヒビが入り、その部分の塗装も剥がれてしまった 外壁は「建物」に含まれるので「風災補償」の対象となる
ケース6
・竜巻で窓ガラスが割れた 窓は建具として「建物」に含まれるので、「風災補償」の対象になるから
ケース7
カーポート
・台風による暴風で、カーポートが倒壊してしまった カーポートは「建物」に含まれるため、「風災補償」の対象になるから
ケース8
フェンス
・台風による強風でフェンスが倒れ、支柱も曲がってしまった フェンスは「建物」に含まれるため、「風災補償」の対象になるから
ケース9
床上
(床上浸水)
・台風により近くの川が氾濫、床の上まで浸水し床と壁の張替え工事が必要になった 床や壁は「建物」に含まれ、水が原因による被害なので、「水災補償」の対象になるから
スクロールしてください

<表>被害箇所が「家財」で、補償されるケース

被害箇所 被害状況 補償された理由
ケース1
自転車
・暴風雨により玄関前自転車が飛ばされ、破損した 建物内に収容された自転車は「家財」に含まれるので、「風災補償」の対象になるから
ケース2
原動機付
自転車
・台風により原動機付き自転車が倒れ、破損した 総排気量が 125cc以下の原動機付き自転車は「家財」に含まれるので、「風災補償」の対象になるから
ケース3
家具
・台風により高潮が発生し、床の上まで海水が浸水し、家具も水浸しになってしまった 家具は「家財」に含まれ、水が原因による被害なので、「水災補償」の対象になるから
ケース4
家具
・衣服
・落雷により火災が発生し、家具や衣類が燃えてしまった 建物内に収容された家具や衣類は「家財」に含まれるので、落雷が原因の火災による被害は「落雷補償」の対象になるから
ケース5
電化製品
・ゲリラ豪雨により家の裏手の山が土砂崩れをおこし、家電が土砂に埋まり壊れてしまった 建物内に収容された家電は「家財」に含まれ、土砂崩れも水が原因による被害なので、「水災補償」の対象になるから
ケース6
テレビ
・落雷の拍子に、コンセントを経由してテレビに過電圧が流れ壊れてしまった 建物内に収容されたテレビは「家財」に含まれるので、落雷による被害は「落雷補償」の対象になるから
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「大雪・雹」被害の場合

基本的に下記のケースは「雪災・雹災・水災」の補償範囲に入るため、補償されます。

<表>保険の補償対象が「建物」の場合、補償されたケース

被害箇所 被害状況 補償された理由
ケース1
屋根
・雪の重みで建物の屋根が変形した 屋根は「建物」に含まれるため、雪の重さが原因で破損した場合は「雪災補償」の対象になるから
ケース2
雨樋
・大雪で雨樋が壊れた/外れて下に落ちた 雨樋は「建物」に含まれるため、雪の重さが原因で破損した場合には、「雪災補償」の対象になるから
ケース3
・雹が窓を突き破り、窓破損してしまった 窓は建具として「建物」に含まれるので、雹が原因で破損した場合は「雹災補償」の対象になるから
ケース4
カーポート
・落雪でカーポートの天井が壊れた カーポートは「建物」に含まれ、かつ落雪が原因で破損した場合には、「雪災補償」の対象になるから
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<表>被害箇所が「家財」で、補償されるケース

被害箇所 被害状況 補償された理由
ケース1
電化製品
・近所の川が雪解け水で溢れ、家の中にまで侵入し、電化製品が水浸しになって故障してしまった 建物内に収容されている電化製品は「家財」に含まれ、かつ雪解けによる洪水なので、雪が原因でも「水災補償」の対象になるから
ケース2
電化製品
・雹が窓を突き破り、テレビにあたってヒビが入った 建物内に収容されている電化製品は「家財」に含まれ、かつ雹が原因の被害なので「雹災補償」の対象になるから
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3.【自然災害時】火災保険で、補償されないケース

火災保険で補償されるには、先ほど説明した通り、被害箇所が加入している火災保険の補償対象に入っていることが最低条件ですが、更に細かい状況の違いに応じて「補償されるケース」と「補償されないケース」があります。

特に大前提として、下記の2点の場合は火災保険の申請ができず、ほぼすべて「補償されないケース」となります。

この2つの条件のいずれかにあてはまると、火災保険が申請できない、補償されません(損害から3年以上たっている。原因が経年劣化、老朽化。)

ここでは「補償されないケース」について、「建物」「家財」に分けて例示します。
※同じようなケースでも、被害状況やご加入の火災保険会社の契約内容によっては補償される場合もございます。

  1. 損害から3年以上たっている
    火災保険は、実際に被害を受けてから3年以上過ぎてしまうと申請できません。
    保険法第95条に「請求権は原則3年」と定められておりますが、保険会社によっては3年より短い請求期限を設定しているケースもあります。
  2. 原因が経年劣化・老朽化
    あらゆる建物で経年劣化・老朽化は起こります。年月の経過で劣化したり、通常の生活の中で建物や設備が老朽化したりしていくためです。
    劣化や老朽していた部分が自然災害によって破損し、修理・修復が必要になった場合、申請ができないことがあります。

以上を前提に、ここでは火災保険で補償されないケースについて紹介します。

「台風・大雨」被害の場合

基本的に下記のケースは「風災・水災・落雷」の補償範囲とみなされないため、補償されません。

<表>被害箇所が「建物」で、補償されないケース

被害箇所 被害状況 補償されない理由
ケース1
屋根
・屋根が下地ごと飛ばされてしまい、雨漏りしてしまった 屋根材に苔が散見されたため経年劣化・老朽化と判断されたから
ケース2
屋根
・5年前の台風の暴風により、棟板金(屋根のてっぺん部分の金属)が飛んでしまった 被害から3年以上経っているから
ケース3
外壁
・落雷で壁にヒビが入った 壁にチョーキング現象がみられたため、経年劣化・老朽化と判断されたから
ケース4
TVアンテナ
・屋根につけていたBSアンテナが雷で壊れた 保険は、建物で加入していたが、賃貸アパートでアンテナは家財と判断されたから
ケース5
カーポート
・カーポートが台風による暴風で、倒壊してしまった 主柱の錆や屋根部分の亀裂痕があったため、経年劣化・老朽化と判断されたから
ケース6
フェンス
・台風による強風で支柱ごとフェンスが倒れてしまった 損害から3年以内だが、加入していた保険の補償期限が2年以内だったから
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<表>被害箇所が「家財」で、補償されないケース

被害箇所 被害状況 補償されない理由
ケース1
自動車
・台風で自動車に飛来物がぶつかり、壊れてしまった 自動車は「家財」に該当しないから
(自動車保険に車両保険を付けて加入している場合は、補償が受けられます)
ケース2
中型バイク
・台風の強風で中型バイクが倒れて壊れてしまった 総排気量が125cc以下の原動機付自転車は「家財」に含まれるが、中型バイクは「家財」に該当しないから
ケース3
テレビ
・台風で屋根材がずれ、その隙間から吹き込んだ雨水でテレビが濡れ、壊れてしまった 加入していた保険が建物補償のみの保険だったから
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「大雪・雹」被害の場合

基本的に下記のケースは「雪災・水災」の補償範囲とみなされないため、補償されません。

<表>被害箇所が「建物」で、補償されないケース

被害箇所 被害状況 補償されない理由
ケース1
屋根
・4年前に大雪が降った時、雪の重みで建物の屋根が変形してしまった 被害から3年以上経っているから
ケース2
屋根
・大雪で雨樋が壊れた/外れて下に落ちた 雨樋本体に色褪せや腐食が見られ、家の築年数が26年というのもあり経年劣化・老朽化と判断されたから
ケース3
・雹が窓を突き破り、破損してしまった 加入していた保険が「家財」補償のみの保険だったから
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<表>被害箇所が「家財」で、補償されないケース

被害箇所 被害状況 補償されない理由
ケース1
自動車
・大雪の重みでカーポートがつぶれ、車が下敷きになり、窓が破損してしまった 自動車は「家財」に該当しないから
(自動車保険に車両保険を付けて加入している場合は、補償が受けられます)
ケース2
・大雪の重みで窓が割れて、流れ込んだ雪が溶けてしまい、畳が使えなくなってしまった 畳にすり減りや色褪せが散見され、経年劣化・老朽化と判断されたから
ケース3
テレビ
・大雪で屋根材がずれ、その隙間から吹き込んだ雨水でテレビが濡れ、壊れてしまった 加入していた保険が建物補償のみの保険だったから
ケース4
電化製品
・雹が窓を突き破り、テレビにあたってヒビが入った 加入していた保険に「家財」の補償が含まれていなかったから
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4.火災保険でよくある質問

自然災害による被害で、火災保険を申請するにあたり、よくある質問事項をまとめました。

Q1.火災保険は何度も申請できるの?
A1.何度でも申請可能です。

台風など自然災害の被害を受け、火災保険を申請し屋根・外構修理を行った後、再び屋根・外構が被害にあった場合、火災保険の申請をすることができます。
ただし、下記3つの条件を満たしてる必要があります。

  1. 前回火災保険を申請していた箇所を、きちんと修理していること
  2. 保険期間内であること
  3. 設定した保険金額を全て受け取っていないこと

特に、火災保険を申請していた箇所をきちんと修理しているかどうかは、重要なポイントとなります。
保険金を受け取っていたにも関わらず、必要な工事を行わなかった場合は、直す意思がないとみなされ、保険会社とのトラブルに発展する恐れがあります。

Q2.火災保険を使うと保険料は高くなる?
A2.高くなりません。

火災保険を使って屋根・外構修理を行った場合、その後の保険金が高くなることはありません。
ただし、保険会社の取り決めで保険料の値上げが決まった場合は、火災保険の更新時に保険料が高くなる可能性があります。

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